[野菜の学校]  秋田野菜

2012年6月2日
 
東京都青果物商業協同組合会議室
 

田口多喜子氏 青木郁子氏

田口氏(元秋田県農業試験場にて山菜の栽培、野菜の新作型開発など。秋田市公設地方卸売市場 丸果秋田県青果「元気な産地づくりプロジェクトチーム」所属)                                              青木氏(元秋田県職員。丸果秋田県青果「元気な産地づくりプロジェクトチーム」所属) (当時)

内容

・秋田の伝統野菜の定義は以下。

  • 昭和30年代以前から県内で栽培されている
  • 地名、人名がついているなど、秋田県に由来している
  • 現在でも種や苗があり、生産物が手に入る

春夏編8品目、秋冬編13品目があるが、今回は季節柄、「ふき」と「じゅんさい」にしぼって紹介する。

・秋田ふきは、先祖が自生の野ぶきから栽培するに至ったもので、葉の直径が1m以上、草丈は2mにもなり、雨が降ると傘がわりにもなる日本一大きなふき。史実や民話、秋田音頭にも登場し、秋田県の文化と密接に関わる。秋田ふきの生産はわずかで、秋田市、鹿角市の契約農家のみになっている。茎の肉質が粗くて繊維が多いため、土産用の砂糖漬けなどに加工されている。葉脈や茎の筋を布や紙に刷り込む工芸品「秋田蕗摺」にも利用される。また、観光用として毎年6月に「秋田蕗刈り」が開催される。

・秋田県で一般的に食べられているふきは、小型の野生ふきである「水ふき」。秋田県北部内陸の森吉山麓に自生する阿仁ふきに代表される。秋田ふきが早生であるのに対し、水ふきは晩生で食味がよいのだが、生産量が安定しない。そこで、伝統野菜を活かす試みとして、収量を上げ、外観、食味、食感をさらに向上させるための育種に取り組み、培養ふきの「こまち笠」を誕生させた。

・じゅんさいは古くから食用される初夏の味覚で、秋田産が全国一で55%を占める。かつてはじゅんさいが自生する沼があったが、環境の変化で姿を消してしまった。そこで新たにじゅんさい沼を開墾し、沼に入って雑草を除いたり、米ぬかをまいたりと、栽培技術の向上に励んでいる。

 

秋田野菜の展示

当日の野菜・食材など

食べくらべ

ふき3種

・ゆでて

水ふき(こまち笠・阿仁ふき)v.s.

秋田ふき(赤茎)

愛知早生ふき

A「水ふきは緑が美しく、やわらかい食感で、ほどよい甘さやえぐみがある。秋田ふきは野性味あふれて、土のような香りもある強烈な印象。どうやって食べればいいのか、全部食べるのは難しい。愛知早生は食べ慣れた味でえぐみや苦味がほどよく、食べやすい」

※青木氏より、「秋田では、秋田ふきは一般家庭では食べず、きんぴらや中に詰めものをしたりする。また、ふきは春のイメージだが、昔は野菜がなかったので、他の山菜のように、保存食として、乾燥させたり、塩漬けにしたものをもどして食べていた」

B:「三種のふきは香りや味がまったく違い、その表現が人それぞれだが、筋が特に話題になった。水ふきはきれいでたべやすい、秋田ふきは内部に太い筋があり、木の香りというかクセが強い、愛知早生は食べ慣れたいわゆるふきの味だった」

C:「水ふきは見た目、食感がよく、繊維も気にならない。気持ちのい青臭さ、ほんのり甘み・苦みもある。秋田ふきは下部が空洞で筋だけ、フカフカした食感で大味、アクやえぐみも強い。愛知早生はいつものなじみやすさで、ほどよい青臭さ・えぐみがあった」

D:「秋田の大館出身。ウチで食べるのは屋敷の北側に生えていた秋田ふきで、何かあったら食べていた。かたいと思いながらしょうゆで煮つけて。今でも実家に帰ったときには食べさせられる。お弁当に入っていたのは水ふきで、さっと油いためとかしょうゆで煮たものだった」

 

 

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