【野菜の学校】江戸東京野菜(2)

開催日
2012年4月7日(土)
会場
東京都青果物商業協同組合会議室

大竹道茂氏

おおたけ みちしげ

江戸東京・伝統野菜研究会代表

内容

・東京は東西に長く、中山間の農業もあれば、小笠原の亜熱帯の農業もある、西端には雲取山など2,000m級の山ふところにわさび田があり、東端は0m地帯の沖積土壌、北区、板橋区、練馬区あたりは関東ローム層が広がる大変変化に富んだ土地柄。東京中央卸売場に来るものは、だいたい東京界隈でも作られており、いわば日本農業の縮図ともいえる。では、江戸東京野菜とは?と、JA東京中央会でも検討して、固定種に限る方向にしろ、昭和50年くらいまでとなるとF1種も入って来ざるを得ない

・参勤交代の折に江戸には全国の種が集まり、また江戸みやげとして種が各地に持ち帰られた。持ち帰られた練馬大根、滝野川にんじん、滝野川ごぼう、三河島菜などの種の記録が地方に残っていたりする。練馬大根が神奈川の三浦大根、東京・世田谷の大蔵大根、庄内の干し大根、信州の前坂大根、鹿児島・指宿の山川大根などの元になっていることもわかってきた。

・東京郊外の檜原村にある「おいねのつるいも」という小さなじゃがいもは、かつて山梨県都留市から嫁いできたおいねさんが、花嫁道具の一つとして持ってきて、奥多摩に伝わったという。こうした話は信州、群馬、埼玉にもあり、各地の伝統野菜の伝わり方の共通点が見出される。

・江戸東京野菜の復活には学校での取り組みが契機になることがよくある。またレストランのメニューに入ったり、イベントに使われたり。総務省の補助を受けて、江戸東京野菜コンシェルジュの育成もスタート、海外向けのレストランガイド『ZAGAT』には海外に向けて大きく紹介されるなど、まだまだ復活・広がりが期待される。

江戸東京野菜(2)の展示

当日の野菜・食材など

食べくらべ

江戸東京野菜(2)の食べくらべ

●ゆでて
のらぼう菜(江戸東京野菜)
かき菜(栃木県佐野市の在来種)
菜花(千葉県)

コメント:メンバーA

「茎からかじると、のらぼう菜が甘いが、茎の太さで違った。菜花は食べ慣れている味で、つぼみにエグ味があった。かき菜はやわらかく、甘く、軸はやや筋っぽいが、ずっとかんでいるとぬめりを感じた」

コメント:メンバーB

「一番甘さがあるのはのらぼう菜で、かき菜、菜花の順。かき菜は筋っぽさもあるが、ぬめりも感じる。歯切れがいいのは菜花で、一般受けするのがわかる。」

コメント:メンバーC

「のらぼう菜は少し古いのか、味が淡く食べにくく、甘さもなかった。本来は芯にしっかり甘みがあるはず。菜の花はオーソドックスで、苦みもあり、食べやすかった。かき菜は風味が弱く、青臭さがあり、固め。のらぼう菜とかき菜は味が近い印象。」

※備考

植物一般は抽苔(トウが立つ)すると固くなって食べられないが、アブラナ科はおいしく食べられる。ただ、菜花のように抽苔したものと、のらぼう菜やかき菜のような抽苔する少し前のものでは味わいが当然違ってくる。収穫時期によっても甘さなどの味わいが微妙に変わる。

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