【野菜の学校】 庄内(山形)野菜

開催日 2010年11月06日
会場 東京都青果物産業協同組合会議室

江頭 宏昌 氏

えがしら ひろあき

山形大学農学部
食料生命環境学科准教授

<当時>

内容

・在来作物の定義として、1つは「世代を越えていること」、もう一つは「栽培者が自家採種していること」。在来作物は商業品種と違って、収量が少なく、病気に弱く、外観や日持ちがよくないというハンディがある一方、味や香りなどが個性的なものが多いのが特長。

・商業品種は「モノ」としての役割だが、在来作物は、それに加えて、その地域固有の歴史や文化、栽培や利用法などの情報を伝えるメディアとしての側面をもつ。在来作物の種がなくなれば、その地の文化も消える。

・山形県は庄内、最上、村上、置賜の4つの地方に分けられ、庄内でも、最上川を境に北庄内と南庄内では在来作物が変わり、在来作物は南庄内に圧倒的に多く残っている。酒田市などがある北庄内は、水利がよいために稲作が盛んになり、よく売れる商品としての作物が選抜されてきた。ところが南庄内は、まず自分たちが食べるものを優先せざるを得ない環境だったために、在来作物がそのまま残っていたのではないか。しかも、食べものとして安定的に確保しておきたいという側面と楽しみの要素があるように思う。

・在来作物を活かしていくには、生産者、料理人、有識者(研究者)が手をつなぐことが大切。在来作物を通して、地域に伝えられてきた歴史や文化、生きるための知恵といった知的・心的財産を見直し、次世代にぜひ伝えていきたい。

 

 

伝統野菜プロジェクト
庄内野菜の展示

当日の野菜・食材など

食べくらべ

宝谷かぶ

調理法:生とオーブン焼き

感想:

<全体>
・漬けものにいいのではないか
・みそ汁にするとおいしいかも
<生>
・だいこんみたい 小さいだいこんなど、複数の意見あり
・苦み、辛みが強い
・香りが独特で、クセになるかも
・歯ごたえがよい
・緑っぽい香りがする
・味が濃い
<焼き>
・苦み、辛みが消えていない
・甘みがあまり出ない
・かぶのうまみがある

藤沢かぶ

調理法:生とオーブン焼き

<全体>

・漬けものにいいのではないか
・漬けものの鮮やかな紅色が印象的

<生>

・だいこんに近い
・かぶと言われなければ、見ただけではわからない
・縦切りは最初に辛み、後から甘みがくる。横切りは最初に甘み、後から辛みがくる
・甘みはない
・香りは少ない
・食べやすい
・味がしっかりしている

<焼き>

・うまみ、甘みが出てきた
・甘みと香りが出る
・加熱すると味が濃くなるが、色が悪くなる

金町小かぶ

調理法:生とオーブン焼き

感想:

<全体>

・煮込みなど、いろんな用途に使いやすい
・煮くずれるのではないか
・食べ慣れているふつうのかぶ
<生>
ジューシーで柿のような食感、ホッとした
<焼き>
味がぼける

その他

・全体に焼いたほうが味がよくなる。調理するほうがよい

・庄内の在来かぶと小かぶとの違いは、水分の多少

・在来種は、水分が少なく、煮くずれしないのではないか

・在来種は加熱しても辛みが残るので、鰤と合わせて鰤かぶとか、個性の強い食材と合わせるといい

・切り干しかぶもいいと思う。※江頭先生「切り干しかぶはすでに存在する。うまい」

・小かぶは優等生、在来かぶは野性的、個性的。皮がかたく、見た目が悪いが、味が濃い

・さらに加熱するとどうなるか。という質問に対して、江頭先生「宝谷かぶは、あるところを境にしてトロッとして辛みが消える。さらに煮ると苦みが出る、そこで、鯨、うさぎ、寒鱈のような脂のある食材と組み合わせる。煮込むとトロッとするのは、かぶに含まれるでんぷん。ちなみに3日間煮込んでも煮くずれない置賜地区の遠山かぶもある」

 

スタッフレポート

産地訪問レポート